首吊り士事件前に見ていた自殺とSNSで起きた変化
首つり士事件。
あの事件が発生してしばらくたちますが、改めてこの事件について記事にしたいと思います。
白石隆浩容疑者の事件について思うこと。
それは、あのアカウントを事件が発覚する前に、僕自身も白石隆浩容疑者のアカウントを見ていたということです。
事件前に目撃した首吊り士のアカウント
僕がプライベートで使っているアカウントは3つほどあります。
そのうちの一つであるアカウントを見ていた時、フォロアーでリアルでも知り合いの一人が首つり士のtweetの一つをリツイートしていました。
そのアカウントでは、主に僕の趣味繋がりのアカウントでした。そこでリツイートをしてきたのはリアルでもあったことのある女性です。
彼女は世間いうところの「メンヘラ」に分類される女性です。
自殺願望はもちろん。精神科への入院歴もある女性です。
普段からその手ツイートが多い彼女が、どこかで首つり士のアカウントを検索し見つけた結果リツイートしていました。
そして「本当にできるのかな?」とコメント。
それはネタだったのかどうかは本人に聞いてみないとわかりません。
ただ、僕はそれがネタが7割。本気が3割という複雑な感情だっと考えています。
彼女がリツイートした内容は首つりを募集する内容でした。
何だこれは?と思って、即座にリツイートから本人のタイムラインに飛ぶと、僕は一瞬で「こんなネタアカウントもあるのか」と思ったほどです。
「首つりの知識を広めたい 本当につらい方の力になりたい お気軽にDMへ連絡ください」
こんな自己紹介の上には「@hangingpro」という冗談めいたアカウント名と、下手な絵師が書いたようなオタクっぽいアイコン。しかもピースまでしている。
これでも十分冗談だと思えましたが、投稿内容を見てさらに冗談だと思いました。
本人のアカウントはすでに無いので、過去のアーカイブについてご紹介します。
首吊り士@hangingpro
首吊りは苦しくない
苦しいのは起動を塞いでいるか緩衝材が合ってないから
首吊り士@hangingpro
@aaawww98 首吊り自殺予定でしょうか?
首吊り士@hangingpro
@aaawww98 わかりました。
Dm送りますので、フォローしていただけると助かります!
首吊り士@hangingpro
@aaawww98 Dm遅れませんよ(絵文字)
首吊り士@hangingpro
緩衝材は必ずしも必要なわけではありません
顎のライン、肉のつきかたによっては緩衝材はないほうが軌道を塞がずに血流だけ止まる事もあります
首吊り士@hangingpro
血流を止める事を意識しましょう
なんとなく首吊りってこんな感じかな?
の勢いでるのではなく、血管の位置や、締まるイメージを意識すれば、必ず安楽死出来ます
首吊り士@hangingpro
自分が気持ち良く血流を止められる位置を探しましょう。
体重をかけるのは首の前面が良いという方もいれば首の後面が良いという方もいました。
気持ち良く失神できる角度を見つけたら、後は縄の結びさえ間違えなければ、未遂にはならないでしょう。
首吊り士@hangingpro
@Personality_229 車の上に落ちたら死ねないかもしれません、、
首吊り士@hangingpro
@Personality_229 意外と風であおられたりするようなので、早まらないほうがいいです、、どうしても飛び降りというのなら、ちゃんと高い橋などに行き、飛んだほうが確実かと
首吊り士@hangingpro
@Personality_229 そんな、、失敗して大怪我するくらいなら、同じ関東に住んでいるので力になりますよ、、
首吊り士@hangingpro
@Personality_229 はい。
そうです。
首吊り士@hangingpro
@Personality_229 ありがとうございます。
フォローしていただければ、DMにてご連絡させていただきます。
首吊り士@hangingpro
本当に困っている方は、ご相談ください
知識がない状態で勢いで自殺未遂をしてつらい思いをするくらいなら、自殺をやめるか、必ず成功させたほうがいいと思います
首吊り士@hangingpro
@@klLVuz7b1tATX7l わかりました。
DMにてご連絡お待ちしております。
首吊り士@hangingpro
つらさに直面している時に死なないと決意がにぶる
決意が鈍るといざ目の前に死が見えた時に恐怖が勝ってしまう
日常生活がどう考えても好転しないのなら、つらさに直面している時にすぐ死ぬべき
そうしないと真面目に生きる事も、死ぬ事も出来ない地獄が待っている
#安楽死
#自殺
首吊り士@hangingpro
自殺する前に友人、家族、SNSにこれから死にますや今までありがとうなど連絡を入れるのはNG
それが原因で怪しまれて捜索願いが出たり、場所を特定される可能性があるからです
死ぬ前に最後に連絡したい人がいる方はまだ未練がある証拠なので、死ぬべきではないと思います
#自殺
首吊り士@hangingpro
練炭自殺は楽なんですか?とよく聞かれるのですが、ハッキリ言って苦しいです
睡眠薬で寝ている間に死ねるというイメージが強いようですが、実際は一酸化炭素中毒による激しい吐き気と頭痛で寝るどころではありません
脳に重大な障害が残る可能性も高いので未遂になったら取り返しがつきません
首吊り士@hangingpro
@klLVuz7b1tATX7l 苦しむ時間で比べるなら首吊りのほうが短いですが、単純に首吊りが怖いという方もいるので、どちらを選ぶかは人それぞれかと思います
首吊り士@hangingpro
@ryou_koutan 返信遅くなり申し訳ありません。 そうだったのですね、、 最後に連絡がなかったのであれば、思い残す事なく死ねたのかもしれません。 ご冥福をお祈りします。
首吊り士@hangingpro
学校でも職場でもいじめは絶えない 毎日のように通う場所、会う人間とうまくいかないと、精神的にどんどん追い込まれていく 世の中には、ニュースになっていないけど自殺未遂をしてしまって苦しい思いをしてる人がたくさんいると思います そんな人の力になりたいです
文章から見えてきた本人の特徴
上記の投稿内容は全て手書きで書き写しました。
遺書や文面などから本人の心理状態を知るためには、文章をトレースするのが一番だからです。
その結果、この文章を書いている人間は一度も興奮していないことが良くわかりました。残されたツイートを見る限りは、ただの一度もありません。
非常に冷静で、首吊り以外の自殺を否定する時や、連絡を取らないように促すtweetでは、他者をコントロールしようとあえて敬語を排し、句読点を使わずに強い姿勢で出ています。
自殺志願者との会話の際には緊張と興奮が入り混じっています。
努めて冷静であり相手を警戒させまいという努力が滲め出ています。常に低姿勢であり、相手を気遣うそぶりを見せる。濁点を連続させる部分は慎重さのあらわれであり、相手を警戒させないようにと勤めています。
これらの文面からも、このアカウントは完全に首吊りの自殺者を集めることが目的だったことがわかります。
犯行動機は存在意義とネクロフィリア
ですが、問題はここからです。
もしもあなたが自殺志願者を募る場合、首つりだけに限定するでしょうか?
僕だったらしません。彼がツイッターで自殺者を勧誘している様子からもわかる通り、集団自殺で首吊りというのは、かなり珍しい方法であり、普通は練炭自殺だからです。
もし殺すことだけが目的なら、練炭自殺希望者や服毒などの志願者をつのり、その後刺し殺すなり首を絞めればよかっただけのこと。殺したいだけならこれで十分。効率が良いです。快楽殺人犯なら誘う手口は実行の手口と共通させる必要なんてないですし、歴代の快楽殺人者は被害者を集める時に平気でうそをついてきています。
にもかかわらず、はじめから首吊り希望者を集めて首を釣ったというのは何故なのか?
臓器売買が目的だという話も出ていますが、彼のTwitter上でのやりとりを見ているとあまりにも苦戦しすぎです。そもそも、集団で首を吊るっていう方法に疑問を呈する被害者もいましたし、臓器売買なんて組織犯罪をするのに、目立つTwitterアカウントを使って被害者を募り続けるなんて、自分を見つけてくれと言っているようなもんです。
つまり、彼は職業犯罪者ではありません。その可能性は限りなく低いです。
一人足がつけば後も釣られるのに、Twitterなんてやらせる組織なんてありえないでしょう。
それに、非常に丁寧なやりとりで被害者を募ってはいましたが、被害者候補と親しくなるとつい素をさらしてしまい「自分が殺したらお金をくれるといいな」といった発言をしていた経緯も伺えます。殺すつもりなら獲物を手に入れるまで油断なんてしません。しかもなぜお金?そのせいで被害者を逃がしていますし、また理解が難しくなりますね。
そう考えると、座間の事件の犯人は、ただの快楽殺人犯ではなく、首吊り志願者を実際に首を吊ることによって他人を救っていた気になっていたのでは?なんて思ったりもします。
いうなれば、快楽殺人でありながら職業殺人でもあったのです。
彼にとって首吊りは仕事と遊びが入り混じったもの。だからこそ「首吊り士」なる職業名のような遊びめいたアカウントを作成していたし、彼は被害者に対価を要求したいと思っていたのでしょう。
一方で、彼が殺人を犯していた快楽の部分について
ここはおそらくネクロフィリアだと思っています。
死体愛好家の事件んは日本では少ないですが海外ではかなりの数があります。
いずれも特徴は、遺体を室内にため込んでいること。捨てることはあまりなく、必ずといって良いほど室内に保管しています。
生粋のサディストであれば遺体には大した意味はありません。
ただ性的興奮を満たすために殺人を犯すので、発見されれば危険な遺体など簡単に処分します。
それをするどころか、専用クーラーボックスを購入し室内で保管していたことは遺体への嗜好性の高さの象徴だと考えられます。死体への暴行はもちろん、食人の可能性も十分にありえるはずです。
日本で過去におきた自殺サイト連続殺人事件に非常に良く似ていますが、手段は一緒であっても睡眠薬などを飲ませて無抵抗になった所を殺すなど、被害者に必要以上の恐怖をあたえず最小限の手段で殺害している点はネクロフィリアのそれではと考えています。
また、ロフトなどを殺害のために借り、はじめの被害者なども最初から殺す目的で狙っていたこと。連続殺人鬼によくみられるサイクルが異様なほどに早いことなどからみて、座間以前にも殺人を行っていた可能性。それも偶発的な殺人や近い行為があったと見て良いでしょう。
自殺願望はあった
本人は否定していますが、恐らく自殺願望はあっと考えています。
絞殺に執着している点は自らも自殺未遂を試みた経験があるからであり、恐らく失敗しているのではと考えています。
被害者たちを信用させられたのも自ら自殺経験者であるからであり、そうでない人間を自殺願望を持つ人間はすぐに見抜くと考えているからです。
事件の発覚を恐れてすらいないような短期間での集中した殺害も自らの命を軽んじているふしが見られます。彼自身が自らの自殺願望を否定しているのは、自殺することが愚かだということを認めている空であり、決して神聖視などしていない証拠です。
ドラッグ使用の可能性は?
本人がドラッグを使用していた可能性は十分あると考えられます。
殺人のサイクルの速さや異常性の高さは、海外では麻薬が原因で引き起こされることもあるそうです。
売春を行う風俗店のキャッチだったことから、ドラッグの入手ルートも十分にあった可能性もあり、なんらかの麻薬の常用の線も捨てきれないでしょう。
自殺志願者は他にも多数いる
首吊り士のアカウントや、そこにツイートをしていた人、そしてリツイートをした知り合い。
ツイートを探っていけば、首吊り士とコンタクトを取っていたり、フォローしていた自殺志願者たちのアカウントには各メディアの取材依頼が各アカウントに届いていたり、非公開化されたものもありました。
中には自殺志願のツイートをしたあとに連絡が取れなくなったものもあります。
中には被害者のアカウントもあるでしょうが、もしかしたら本当に自殺をしたアカウントもあるでしょう。
これらのツイートを見て、僕が思い出したのはかつて行方不明になった19歳の少女です。
自殺願望があり、精神科に通院。そのご恩師に相談をしにいった直後から連絡が取れなくなり、2か月後に雪の下から遺体となって発見されました。
この少女の行方調査は失踪から2か月も経過したあとに依頼がやってきました。
精神疾患があり自殺願望があったことから特定行方不明者として扱われましたが、警察が携帯電話の最終発信地点の情報を取り寄せてくれたのは探偵事務所への依頼があったあとであり、失踪から2か月以上は経過していました。
しかし、彼女が死んでいたのは行方不明になったその日の夜。
結局どれだけ早く警察が捜索しようが手遅れだったわけで。僕は永遠と死体を探していたわけで。遺体発見の連絡があったその日は一睡もできませんでした。
けれど、行方不明者の捜索で対象者が自殺していたケースはこれでは終わりません。
それらしき車を発見してナンバーの確認をしている間に、車内で服毒自殺をした対象者もいれば、見つける寸前に崖のしたに飛び降りていた対象者もいます。
今回の事件でも、当初は行方不明扱いとなっていたはずであり、警察もそれなりと対応をしていれば発見は容易だったでしょう。
被害者のお兄さんがSNSから情報提供を求めたのが犯人発見の切っ掛けとなったのですが、その間にすでに9人。その中には未成年も含まれていたのにも関わらず、Twitterアカウントの調査という行方不明者の捜索ではあたりまえのことに警察が一切手を触れていなかったのは、なんとも残念でなりません。
自殺志望者たちの変化
首吊り士の事件について調べる内に興味を持ったのは、Twitter上の自殺志願者たちの動きです。
彼らは首吊り士が出る以前からネット上で活動を行っており、一人で死ぬのを怖がり集団自殺を試みるため、同士をネット上でつのり続けていました。
しかし、首吊り士事件以降、皮肉にも座間の連続殺人事件の犯人が自殺志願者たちを集めていたことが影響してか、自殺志願者達の動きの中に、自殺志願者とは関係のない人間たちが入り込むようになったのです。
その大半は冷やかしであったり、本気で自殺志願者を心配していたりと様々であり、自殺志願者をつのるあるアカウントはこの様につぶやいています。
「首吊り士のせいでひやかしがふえた」
「本気で死にたい人間に出会えない」
つまり、座間の事件以降、集団自殺を抑制する効果が確かにTwitter上に生まれているのです。
ただ、自殺志願者の数が減ったわけではありません。
未だに自殺仲間を募集するための投稿は#集団自殺や#自殺募集などのタグで投稿され続けていますし、自殺仲間を見つけてはDMで連絡を取り合っているアカウントもいくつか見つかります。
これらの自殺者が全て自殺するわけではありません。
集団自殺を行う人間はそれほど衝動的ではなく、死に対しての恐怖も強いのが事実であり、だからこそ仲間を募っています。
ですから、自殺率は募集していない人間に比べればはるかに低いとも言えるのですが、マッチングが完成した場合、集団自殺が結構される可能性は十分ありえます。
「死にたい死にたいというやつほど死なない」
とは良く言いますが、僕はそうは思いません。
首吊り士のアカウントを見たとき、ただのネタだろうと思ったのと同じように、私が見つけた自殺願望を書き込むアカウントが10月13日で投稿がストップしていたのは、本当に死んでいたか、もしくは殺されてしまった可能性だってあるわけです。
また、自殺願望をつづっていた人間が本当に死ぬというのは、行方調査をおこなっていた人間にとっては珍しいことではありません。
こういう事件が続かないことを祈りますし、模倣犯がでないと良いですね。